このページの要点
- 従業員を使わない個人は特定受託事業者になりうる(フリーランス法2条1項)。ただし働く条文は、相手の形(特定業務委託事業者か)と期間(1か月、6か月)で変わる。
- 条件の明示(3条)、報酬の支払期日は受領から60日以内(4条)、継続的な委託の禁止行為(5条)、解除・不更新の30日前予告(16条)が主な柱になる。
- 配信者が制作者に発注する側になるとき、取適法の委託事業者は資本金や従業員数が区分に当たる法人に限られ、個人は含まれない。
- プラットフォームとの関係は、業務の委託か利用契約かを実態で見る。断定せず、誰が何の対価として支払っているかを確かめる。
法律の保護が働くかは、人ではなく取引ごとに、順序を追って決まる
個人で活動する配信者やVTuberは、「自分は法律で守られるのか」「発注する側に回ったときは何を守らなければならないのか」と悩みます。結論から言うと、働く条文は、自分がどういう人かだけでは決まりません。誰との、どんな取引なのか、その取引がどのくらいの期間続くのかによって、働く条文が変わります。このページでは、配信という活動に当てはめて、判定の順序を整理します。契約全体の中での位置づけは、配信者の契約の全体像のページにまとめています。
ここで中心になるのは、「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(以下「フリーランス法」といいます)です。また、配信者が制作者などに発注する側になるときに関わりうる法律として、「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」(中小受託取引適正化法、以下「取適法」といいます)があります。結論を、次の6点にまとめます。
- 従業員を使用しない個人は、フリーランス法の「特定受託事業者」になりうる(2条1項1号)。法人でも、代表者のほかに役員がおらず従業員を使用しなければ、同じ扱いを受ける(同項2号)。
- 事業者から業務の委託を受けたとき、委託した側は、給付の内容、報酬の額、支払期日などを、書面または電磁的方法で、直ちに明示しなければならない(3条1項)。
- 報酬の支払期日(4条)、継続的な委託での禁止行為(5条)、解除や不更新の予告(16条)などは、委託した側が「特定業務委託事業者」にあたるときに働く(従業員を使用する個人、または、役員が2人以上いる法人や従業員を使用する法人。2条6項)。
- 期間によって段階がある。5条1項の禁止行為は1か月以上の委託(施行令1条。5条2項は期間を問わない)、育児介護への配慮の13条と解除予告の16条は6か月以上の「継続的業務委託」(施行令3条)が対象。
- 配信者が制作者などに発注する側になるとき、取適法の「委託事業者」になるのは、法人で、資本金や従業員数が条文の区分に当たる場合に限られる。個人は委託事業者にならない。
- プラットフォームとの関係や、所属契約が「業務委託」といえるのかは、実態によって異なる。このページでは断定せず、確かめる問いを示す。
この法律が働くかを見る順序(一般的な手順)
順に当てはめると、3条の明示だけが働く取引と、4条以下がまとめて働く取引を区別できます。
特定受託事業者にあたるのは誰か:個人・法人・従業員の考え方
フリーランス法で「特定受託事業者」とは、業務委託の相手方である事業者であって、個人で従業員を使用しないもの、または、法人で代表者以外に役員がなく従業員を使用しないものをいいます(2条1項)。ここで押さえたいのは、次の3点です。
- 事業者であること。業務委託は、事業者が「その事業のために」他の事業者に委託することをいいます(2条3項)。趣味として配信している場合などは、事業として行っているかどうかが問われます。収益を得て継続して行っているかなど、実態で見ます。
- 従業員を使用していないこと。他の人に作業を手伝ってもらうことと、従業員を雇うことは、別の問いです。条文には「従業員」とのみ書かれており、短時間の雇用などの扱いは、所管官庁の公表資料で確認が必要です。
- 法人化していても、条件を満たせば同じ扱いになること。一人で法人を作って活動している場合は、代表者以外に役員がなく従業員もいなければ、特定受託事業者に当たります。
また、「業務委託」には、物品の製造や情報成果物の作成を委託すること(2条3項1号)と、役務の提供を委託すること(同項2号)の二つがあります。情報成果物には、映画、放送番組その他影像や音声その他の音響により構成されるものが含まれます(2条4項2号)。配信の映像や動画の制作は情報成果物にあたりえますし、配信そのものへの出演は役務の提供にあたりえます。どちらに当たるかで適用されない条文が出てくるため(後述の5条1項の括弧書き)、契約の内容を整理しておきます。
場面ごとの当てはめ(一般的な整理。実際の適用は取引の実態と条文で確認する)
| 場面 | 相手の側 | 働きうる条文 | 見るところ |
|---|---|---|---|
| 従業員のいる法人の所属先から、配信業務の委託を受ける(6か月以上、自動更新を含む) | 特定業務委託事業者 | 3条、4条、5条、13条、14条、16条 | 期間が更新でどこまで続くか。解除や不更新の予告の定め。 |
| 同じ相手から、1か月未満の単発の委託を受ける | 特定業務委託事業者 | 3条、4条、5条2項、14条(5条1項は期間が足りない) | 単発でも明示と支払期日は働く。5条1項の禁止行為は1か月以上が前提だが、5条2項は期間を問わない。 |
| 企業から、配信1枠単位の案件を受ける | 特定業務委託事業者にあたるとき | 3条、4条、5条2項、14条(継続して続くなら5条1項も) | 枠ごとの契約か、期間のある基本契約か。基本契約の期間で5条以下が決まる。 |
| 従業員を使わない個人の知人から、配信の手伝いを頼まれる | 業務委託事業者(特定業務委託事業者ではない) | 3条のみ | 4条以下の対象外でも、条件は文字で残す。 |
| 従業員を使わない個人の配信者が、イラストや編集を個人の制作者に発注する | 自分が業務委託事業者 | 3条(相手が特定受託事業者のとき) | 発注の内容、報酬、期日を、書面または電磁的方法で明示する。 |
| プラットフォームから、ギフトや広告の収益を受け取る | 実態によって異なる | 要確認 | 業務委託か、場の提供を受ける利用契約か。後述の確認の問いで整理する。 |
条件の明示(3条)と、報酬の支払期日(4条)
業務委託事業者は、特定受託事業者に業務委託をした場合は、直ちに、公正取引委員会規則で定めるところにより、給付の内容、報酬の額、支払期日などを、書面または電磁的方法で明示しなければなりません(3条1項)。事項のうち、内容が定められないことに正当な理由があるものは明示を要せず、その場合は、定まった後に直ちに明示します(同項ただし書)。公正取引委員会規則(1条)は、明示すべき事項として、当事者を識別できる事項、業務委託をした日、給付の内容、受領や提供を受ける期日と場所、検査をする場合はその完了期日、報酬の額と支払期日などを挙げています。
電磁的方法は、電子メールその他、受信する者を特定して情報を伝達するために用いられる電気通信により送信する方法などです(同規則2条)。電磁的方法で明示された場合でも、特定受託事業者から書面の交付を求められたときは、遅滞なく書面を交付する義務があります(3条2項)。ただし、規則で定める例外があります。つまり、配信の案件の条件をメッセージで受け取っていれば、それが明示にあたりえますが、そこに必要な事項がそろっているかが問題になります。
署名の前の問いと理由受け取った条件の通知で確かめる問い
報酬の額は、税込か税別かを含めて、数字で書かれているか。
「相談のうえ」「規定による」だけでは、額が定まっていない。額が定められない正当な理由があるなら、定まった後に直ちに明示される必要がある。
支払期日は、具体的な日付か、または日付が計算できる書き方になっているか。
「後日」「別途」では期日が特定できない。期日は法律の枠(次に述べる60日以内)に収まる必要がある。
給付の内容(何枠、何本、どの内容)が、数えられる形で書かれているか。
「必要な業務一式」のような書き方では、あとで範囲が広がる。何をすれば報酬の対象になるかを確かめる。
受領や提供の期日と場所、検査をする場合の完了期日が書かれているか。
配信の日時、納品の期日、チェックの期間が書かれていないと、支払の起点が分からなくなる。
明示がメッセージやメールで来ているとき、保存できる形か。
書面の交付を求める権利があるが、まずは自分で保存し、必要なときに示せるようにしておく。
一つでも欠けているときは、相手に質問し、返答を文字で残します。
報酬の支払期日については、特定業務委託事業者が特定受託事業者に業務委託をした場合、給付を受領した日(役務の提供の委託では、役務の提供を受けた日)から起算して60日の期間内に、かつ、できる限り短い期間内に定めなければなりません(4条1項)。検査をするかどうかは問いません。支払期日が定められなかったときは受領した日、60日を超えて定められたときは受領した日から60日を経過する日が、支払期日とみなされます(同条2項)。他の事業者から受けた委託を再委託した場合の特例(元委託支払期日から30日以内。3項・4項)も、別に置かれています。
月末締めの翌月末払いのように、月単位で締めて支払う取り決めが、この60日の期間内に収まるかどうかについては、起算日の取扱いに関する所管官庁の公表資料の確認が必要です。条文の文言は「給付を受領した日(役務の提供の委託では、役務の提供を受けた日)から起算して」と書かれています。契約書に支払日を書くときは、この文言と、取引の実態(継続して役務を提供するのか、1回ごとなのか)の両方を踏まえて決めます。
継続的な委託の禁止行為(5条)と、解除・不更新の予告(16条)
特定業務委託事業者は、政令で定める期間以上の期間行う業務委託(更新によりその期間以上継続するものを含みます)については、一定の行為をしてはなりません(5条1項)。政令で定める期間は1か月です(施行令1条)。禁止行為のうち、受領拒否(1号)と、給付を受領した後の引取り(3号)は、役務の提供の委託には適用がありません(5条1項の括弧書き)。配信への出演のような役務の提供の委託では、報酬の減額(2号)、著しく低い報酬の額の不当な設定(4号)、指定する物や役務の強制購入・強制利用(5号)が主な禁止行為になります。さらに、すべての業務委託について、自己のために経済上の利益を提供させること、責めに帰すべき事由がないのに給付の内容を変更させることややり直しをさせることが禁じられています(5条2項)。
禁止される行為と、配信の場面での見方(5条1項は1か月以上の委託、2項は期間を問わない)
| 条文 | 内容 | 配信の場面の例 | 契約書で見る点 |
|---|---|---|---|
| 5条1項2号 | 責めに帰すべき事由がないのに、報酬の額を減ずること | 配信の枠が所属先の都合で取り消されたのに、その枠の報酬を引く。プラットフォームの障害を理由に、全額を減らす | 減額できる場合が、配信者の責めに帰すべき事由に限られているか。減額の理由と計算を示す定めがあるか。 |
| 5条1項4号 | 同種の給付に通常支払われる対価に比べて著しく低い報酬を不当に定めること | 同じ内容の配信なのに、他の配信者と比べて極端に低い単価にする | 単価の決め方と、変更の手続。 |
| 5条1項5号 | 正当な理由がないのに、自己の指定する物を購入させ、役務を利用させること | 所属先が指定する機材、講座、サービスの購入や利用を、活動の条件にする | 購入や利用が任意か、費用の負担者は誰か。 |
| 5条2項1号 | 自己のために金銭、役務その他の経済上の利益を提供させること | 契約外の宣伝投稿や手伝いを、無償で求める | 業務の範囲が、報酬の対象と一致しているか。 |
| 5条2項2号 | 責めに帰すべき事由がないのに、給付の内容を変更させ、またはやり直させること | 企画が決まった後に、一方的に内容を差し替えさせる。追加の対価がない | 変更の手続と、追加の報酬の定め。 |
解除と不更新については、特定業務委託事業者は、継続的業務委託(13条の政令で定める期間以上の業務委託で、更新により継続するものを含みます)に係る契約を解除しようとする場合(契約期間満了後に更新しない場合を含みます)、少なくとも30日前までに予告をしなければなりません(16条1項)。政令で定める期間は6か月です(施行令3条)。災害その他やむを得ない事由により予告が困難な場合その他、厚生労働省令で定める場合は例外です。特定受託事業者から、予告の日から契約が満了する日までの間に、解除の理由の開示を請求されたときは、遅滞なく開示しなければなりません(同条2項。第三者の利益を害するおそれがある場合などは例外)。
このほか、継続的業務委託では、特定受託事業者の申出に応じて、妊娠、出産、育児や介護と両立して業務に従事できるよう必要な配慮をする義務があります(13条1項)。継続的業務委託以外の業務委託では、配慮する努力義務です(同条2項)。また、特定業務委託事業者は、業務委託に関して行われる性的な言動、妊娠・出産に関する言動、取引上の優越的な関係を背景とした言動により就業環境が害されないよう、相談に応じ適切に対応するために必要な体制の整備その他の措置を講じなければなりません(14条1項)。相談したことを理由に、契約の解除その他の不利益な取扱いをすることは禁じられています(同条2項)。
条文の例解除・更新拒絶の予告(一般的な書き方の例)
- 甲又は乙は、本契約を中途で解除しようとするとき、又は期間満了後に更新しないときは、相手方に対し、少なくとも○日前までに、書面又は電磁的方法により予告する。
- 前項の予告を受けた乙が、予告の日から本契約が満了する日までの間に、解除又は不更新の理由の開示を請求したときは、甲は、遅滞なく、書面又は電磁的方法によりこれを開示する。
- 災害その他やむを得ない事由により前二項の予告が困難な場合は、前二項の規定は適用しない。
日数は、法の予告日数(30日)を下回らないように置きます。契約書の「通知なしで直ちに解除できる」という定めがある場合でも、法の予告義務は別に問われます。例外は、条文と省令で確かめます。
配信者が発注する側になるとき:フリーランス法と取適法の違い
配信者が、モデルや動画、サムネイル、音声の編集などを制作者に発注する場面があります。このとき、自分がどの法律のどの枠に入るのかは、自分の形によって異なります。次の表のように、自分の形を先に決めると、整理しやすくなります。
発注する側の形ごとの整理(一般的な例)
従業員を使わない個人
業務委託事業者にはなる
- 制作者が特定受託事業者なら、3条の明示が必要
- 4条以下は、特定業務委託事業者でないため対象外
- 取適法の委託事業者にはならない(条文上、個人は含まれない)
- 文字で条件を残すことが、実質的な備えになる
従業員を使う個人/役員が2人以上の法人/従業員のいる法人
特定業務委託事業者になる
- 3条、4条(60日)、5条(1か月以上)、13条・16条(6か月以上)、14条が働く
- 制作者の報酬を、受領から60日以内に支払う
- 一方的な報酬の減額ややり直しに注意
- 解除・不更新は30日前までに予告
資本金や従業員が一定規模の法人
取適法の委託事業者になりうる
- 情報成果物作成委託・役務提供委託では、資本金が5千万円超、または千万円超5千万円以下、従業員が100人超などの区分がある(2条8項)
- 相手方が個人または一定規模以下の法人であることが前提(2条9項)
- 4条の明示、3条の支払期日、5条の遵守事項が働く
同じ取引に、フリーランス法と取適法の両方の枠が重なることがあります。細かい適用関係は、所管官庁の公表資料で確認が必要です。親会社に支配されている法人の再委託についての特則(取適法2条10項)もあります。
取適法の枠を、もう少し具体的に見ます。取適法は、製造委託、修理委託、情報成果物作成委託、役務提供委託、特定運送委託を対象にします(2条6項)。「情報成果物作成委託」は、事業者が業として行う提供や、業として請け負う作成の目的たる情報成果物の作成を、他の事業者に委託することをいいます(同条3項)。つまり、自分が顧客に提供するもの(またはその一部)の作成を他の事業者に委託する場面が典型です。自分の活動の内容そのものを他人に作ってもらう場合に、すべて取適法の対象になるわけではありません。
委託事業者に当たる場合の義務は、次のとおりです。まず、委託をしたら直ちに、給付の内容、代金の額、支払期日、支払方法などを書面または電磁的方法で明示します(4条)。支払期日は、給付を受領した日(役務の提供の委託では、役務の提供を受けた日)から起算して60日以内に定めます(3条)。また、代金の減額、著しく低い代金の不当な設定、代金の支払遅延、不当な給付内容の変更ややり直し、価格の協議に応じないで一方的に代金を決めることなどが禁じられます(5条)。役務提供委託の場合は、受領拒否(5条1項1号)と引取り(同項4号)は対象から外れます。取適法は、2026年1月1日から施行されている法律です。
プラットフォームとの関係は「業務委託」と言い切れない
配信プラットフォームから、ギフトや広告の収益を受け取る関係が、フリーランス法の「業務委託」にあたるのかは、簡単には言い切れません。プラットフォームの規約は、画一的な内容で多数の利用者に提供されるサービスの利用条件として作られているのが一般的です。配信者はその場を利用して活動し、その結果としての収益の分配を受けるという構造だと、場の提供を受ける利用契約の性質が強くなります。一方、プラットフォームが配信者に具体的な業務を指定し、報酬を対価として払うという構造だと、業務の委託の性質が強くなります。どちらに当たるかは、規約の名前ではなく、実態で判断されます。規約が契約の下へ流れ込む仕組みや、変更・停止の条項の読み方は、プラットフォームの規約と契約の二重構造のページで扱っています。
署名の前の問いと理由プラットフォームとの関係を整理する問い
誰が、何の対価として、配信者に支払っているのか。
視聴者のギフトの分配なのか、広告や案件の対価なのか。支払の根拠が違えば、契約の性質も違う。
報酬の額や条件は、誰が決めているのか。
利用者全員に画一的に適用される仕組みなら、利用規約としての性質が強い。個別に交渉・指定された業務なら、委託の性質が強い。
配信者に、具体的な業務の遂行を義務付ける定めがあるか。
日時、内容、成果物を指定して義務付けているなら、業務の委託に近づく。
所属先が間に入っているとき、所属先との契約はどういう性質か。
プラットフォームとの関係が不明でも、所属先との契約が業務委託なら、所属先の明示義務や支払期日の規律を検討できる。
雇用契約として扱われるかどうかは、これらとは別の判断であり、このガイドの範囲外です。
契約書に落とし込むとき:書き方の例
ここまでの整理を、契約書の書き方に落とし込みます。以下は、配信者の側から見て、確認しておきたい項目の「よくある書き方」と「整えた書き方」の例です。いずれも一般的な例で、個別の契約への当てはめは、取引の実態や相手によって異なります。
書き方の例(一般的な例) 支払・減額・明示の書き方
報酬の支払期日
理由期日が特定でき、受領から60日以内の枠に収まっているかも確認できる。
報酬の減額
理由責めに帰すべき事由がない減額は、継続的な委託では禁止行為にあたりうる(5条1項2号)。
条件の明示
理由口頭だけでは、明示(3条)が満たされず、あとから確認する手段もなくなる。
解除
理由継続的な委託では、30日前の予告が必要になる場合がある(16条)。理由の開示請求の定めも置く。
ここで挙げた書き方は、条文に沿って契約書を整える方向の例です。契約書全体をどの順番で読むか、期間や違約金、権利の帰属といった条項を一つずつどう確かめるかは、所属契約書・業務委託契約書の点検のページで扱います。また、報酬が支払われないときや、減額されたときの確認の順番は、トラブルになったときのページ(確認する順番とよくある質問)で整理します。
起きがちなこと:法の枠を知らないまま進んだ場面
起きがちなこと
- 条件がメッセージの断片に散らばり、報酬の額や支払期日が、どの発言で決まったのか分からなくなる。
- 「業務委託だから法律の保護はない」と思い込み、書面等による明示や、支払期日の枠を確認しないまま受ける。
- 契約期間が長く、自動更新を繰り返している取引で、更新を拒否されるときの予告日数を確認していなかった。
- 配信枠が、自分の責めに帰すべき事情でないのに取り消され、その枠の報酬が一方的に引かれる。
- 自分が発注する側に回ったとき、制作者との条件を口頭で済ませ、納期や報酬の食い違いが起きる。
- 「指定のサービスを使うこと」が活動の条件になっているが、費用の負担や任意かどうかが書かれていない。
- 契約書に法律の名前を書いたことで、法律の保護がそのまま働くと誤解する。適用は、取引の実態と相手の形で決まる。
よくあるご質問
個人の配信者でも、フリーランス法の保護を受けられますか?
従業員を使用しない個人は、事業として業務委託を受けるとき、特定受託事業者になりえます(2条1項1号)。委託した側が事業者であれば、条件の明示(3条)の義務が及びます。報酬の支払期日(4条)や禁止行為(5条)などは、委託した側が特定業務委託事業者のときに働きます。誰との、どの取引かを一つずつ当てはめます。
配信者を使う企業からの案件が1回だけの場合も、法律は働きますか?
1回だけの委託でも、条件の明示(3条)と報酬の支払期日(4条)は、条文上、期間を問わず働きます。一方、5条1項の禁止行為は1か月以上の業務委託が前提(施行令1条。5条2項は期間を問いません)、解除予告の16条は6か月以上の継続的業務委託が前提です(施行令3条)。案件が基本契約の下で繰り返されるときは、基本契約の期間で見ます。
契約書に「通知なしで直ちに解除できる」とあるのですが、有効ですか?
契約書の定めの有効性は、内容と事情によります。特定業務委託事業者が継続的業務委託に係る契約を解除するときは、少なくとも30日前までの予告が必要です(16条1項)。例外は災害などのやむを得ない事由など、厚生労働省令に定めるものです。契約に即時解除の定めがあるからといって、法の予告義務が当然に消えるわけではありません。
制作者にイラストやモデルを発注するとき、取適法は自分にも関係しますか?
取適法の委託事業者は、法人で、資本金や従業員数が条文の区分(2条8項)に当たるものに限られます。個人は委託事業者にならず、小規模な法人は区分に当たらないことが多くなります。一方、従業員のいない個人でも、フリーランス法上の業務委託事業者として、制作者に条件を明示する義務は生じえます(3条)。
プラットフォームの規約に同意しているだけで、フリーランス法の対象になりますか?
一概には言えません。プラットフォームの規約に同意して場を利用し、収益の分配を受ける関係は、業務の委託というより、利用契約の性質が強いことがあります。ただし、プラットフォームが具体的な業務を指定して対価を払うなど、実態が業務の委託に近い場合は別です。規約の名前ではなく、誰が何の対価として支払っているかで見ます。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の契約への当てはめは、契約の相手方、取引の実態、プラットフォームの規約によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や案件を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索(法令API)で確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 公正取引委員会 / 消費者庁 / 文化庁 / 個人情報保護委員会